イギリスのパブリックスクールには、国際的なエリートになることを周囲から望まれている多くの子どもたちが集まります。日本からも、海を越えて遠くのイギリスに留学させる家庭があります。パブリックスクールは、私立学校に分類されます。よって高い授業料が必要なので、世界で裕福な家庭に好まれています。
元々王侯貴族や僧侶といった国のために高い教養を持つ必要があった特権階級を対象にした教育機関です。中世以降に学校として設立され、授業料さえ払えば階級に関係なく誰でも入学可能になりました。パブリックスクールは法律で定められたものではなく、一般的には校長がHMCという校長会議に加入している私立学校を指します。教師の質やカリキュラム、設備が充実している一流の全寮制、全日制の学校です。
大学進学に役立つカリキュラムだけでなく、知的教養とタフな精神力を兼ね備えた人格の形成に取り組んでいます。校長や教師、学校のチャペルの聖職者が、キャンパス内で生活し、寮で暮らす学生と寝食を共にします。寮生活の中で、目上の人を尊敬する気持ちやマナーを身につけます。入学する前に同意した校則に違反すると、重い罰則が待っています。
重大な違反と見なされると、即退学ということも少なくありません。パブリックスクールに入るためには、子どもが2~3歳の時点で既に受験対策を行います。幼児教育を行う名門のプレパラトリスクールに入学すると、その後の入学が有利に働きます。